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『国保地域医療学会に参加して』
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(コンサルタント・税理士 冨田 一栄) |
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第47回全国国保地域医療学会が、去る10月26日(金)、27日(土)に金沢にて開催された。参加者は全国より約1,400人余り、私は参加者数4名と少ない東京都から部外者(国保関係者でない一般参加)として参加した。
参加病院の研究発表は、金沢歌劇座4会場にて口演発表数63、金沢21世紀美術館2会場にてポスター発表数123とかなりの数に上り、その他特別講演2回、開設者サミット、シンポジウム、市民公開講座と多岐にわたる催しもあり、盛会であった。
発表演題の多くは「臨床、看護、保健事業、在宅ケア、歯科・口腔ケア、教育」等の医療現場に関する分野のものだが、「施設運営・管理、行政」等医療経営に関する分野のものも幾つか見られた。
その「行政」の分野で、26日(金)に、弊社の顧客である国保東栄病院(医療法人財団せせらぎ会運営)の事務長と副院長が『国保東栄病院公設民営化への道 その1』『国保東栄病院公設民営化への道 その2』という演題で、東栄病院の公設民営化に至るまでの経緯と苦労について発表した。
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『国保東栄病院公設民営化への道 その1』では、事務長の原田典和氏が、平成19年4月に公設民営化のスタートを切るまでの概略経緯とスタート後半年間の状況について発表した。山間過疎地にある東栄町の説明から病院の状況を説明し、平成16年度には「このままでは3年もたない」という状況の中での危機感から再生計画を策定し、17年度から実行していく中で少しずつ好転していった経営状況について図表で説明した。一方、同じ17年度には総務省経営アドバイザー派遣事業の実施と経営改革委員会の設置を行い、その答申に沿って病院存続のために経営形態の変更を行って公設民営化することを決意した経緯を、平成18年度からは町・議会と病院でそれぞれに始められた各種準備についてスケジュール表を示して時系列的に説明し、平成19年度からスタートした後の状況と課題も挙げた。(右の写真は発表する原田典和事務長) |
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『国保東栄病院公設民営化への道 その2』では、副院長の丹羽治男氏が、平成13年度から病院で内部改革を進めてきた様子と東栄町と病院との関係について発表した。平成13年度には新病院建設について議論されて新病院構想が示され、平成15年度には新町長の下、市町村合併協議の中で病院問題が協議され、東栄町単独で行き町内医療に特化するとする町の方針と、病院機能の維持拡大を再生の柱とする病院側との意見の相違が続いた。病院内部では人事を一新し、様々な手法を用いて基本構想を打ち立て、病院再生のあり方を探ってきただけに町の方針には納得のいかなかったことが多かった。その後は公設民営化スタートに向けて町と協力して議員説明、地域住民説明を実施する一方、病院内部でも新給与体系制定・全職員との面談を行って地域に対して貢献出来る病院の体制作りを目指した過程を丁寧に説明した。(右の写真は発表する丹羽治男副院長) |
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東栄病院のポスター発表にはかなりの人数(100以上と思われる)が集まった。参加者も一見して院長、事務長或いは行政側(町長等)を思われるクラスが多く、公設民営化についての発表を熱く見守っていた。医療現場に関する発表は数多くあるが、今公立病院の経営の厳しい状況下、各方面の関心が高まる中でこのようなリアルな経営面の発表は見られないからでもあろう。発表予定時間(通常1人6分なので、東栄病院は2人で12分)を大幅に上回る30分程度の時間が経過しても白熱したまま、発表後も多くの参加者から沢山の質問が浴びせられ、ポスターが撤去されて会場を後にしたのは1時間後であった。 |
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参加者の中に自治体病院協議会会長の小山田惠氏の姿があった。発表前から会場に足を運び、原田氏や丹羽氏から詳しく説明を聞いていた。発表中も前列で相槌を打ちながら熱心に聞いており、最後には「東栄病院の公設民営化の過程は素晴らしい。単に経営上の理由で経営形態の変更を選択したのではなく、この地域になくてはならないという必要性に合せ、公的病院として果たすべき機能を立派に果たしてきた病院として評価する」とのコメントを皆の前で発表した。 |
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